【ADELTA最新作】大穢・体験版 感想とか考察まとめた

今更8月に体験版遊んだ時のやつを上げました。

先行配信の30分前に体験版の感想をあげるやつがあるか…とは思いつつも当時の考察を見える形で残しておきます。

元ネタの小説・ミステリ・映画・事件などの重大なネタバレを含むので、未読の人は閲覧非推奨。本編通過後の閲覧を強く推奨します。

とにかくなんの情報も入れないまま、一度でいいから横溝の作品に触れてほしいです。ミステリはネタバレ喰らうと楽しさがグッと減ってしまうので…

※ネタバレ・内容や核心に触れている作品一覧

CocoonBN/古書店街の橋姫/ウウウルトラC:ADELTA過去作

上記3作品を全部買っても渋沢一枚でおつりが来るのでおすすめです。オプションでCocoonとか々とか副読本を買うといいと思います。

・小説

孤島の鬼・陰獣・パノラマ島奇譚・双生児:江戸川乱歩

犬神家の一族・獄門島・呪いの塔・仮面舞踏会・他:横溝正史

そして誰もいなくなった:アガサ・クリスティ

途上:谷崎潤一郎

ビルマの竪琴:竹山道雄

ひかりごけ 

八甲田山の関連資料

・映画

犬神家の一族 市川崑 1976年版

◆目次

・ざっくり遊んだ印象

・タイトルについて

・鬼の伝承から読む大穢考(ゆる考察)

・キャラクターについて

・台場静馬の目的について

・元ネタになった作品

◆ざっくり遊んだ印象

文章がうめ〜! 絵が動いてる〜! 

体験版配信当日と現実がリンクが怖くなるくらい合致していて、体験版公開はあえてこの日を狙ったんではないかとすら思えるくらい夏、日本、盆、家。そんな感じ。

猛暑・墓・スーツ、桶に柄杓。汗でダラッダラなはずなのにそれを感じさせない大崎のひんやり感は意外にも冒頭だけで、読み進めると想像以上に感情豊か! やはり彼もADELTAの主人公だった。

有明や新橋など、一癖も二癖もある人たちにタジっとする所がかわいい以上に、ちゃんと自分の意思を強く持って内心あれこれ思考を巡らせている感じがしてしっかり安定感がある。

大崎はトンチキな依頼を受けたのをはじめ、極めて冷静にものを判断してはいるけれども、冷血漢とか無気力という感じはなく、迷いや感情が表に出難いタイプなのかなと思ったり。

嫌な事は拒否るし否とも言うべき時は言う、でも感情を抑えるべき所は自分で抑えられるような立ち振る舞いも身につけている。スーツもまこと様になっている。ただそれは、探偵として求められる冷静さを纏っているだけで、本当はもっと寂しがりな人なんじゃないかなぁ。

各キャラのボイスもスチルも掛け合いも、たっぷり入って短編1本分くらいのボリュームになっていたので、これだけでも十分な気すらするけど実際はここに本編が載ってくるという。これが一番のジャパンホラー。

あとは、橋姫の頃から(読み返すとCocoonの頃から)乱歩などの文学作品がすごい大好きというのが一貫している印象だったので、今回満を持してきたなー!という感じがします。

◆大穢(大江・おおえ)というタイトルについて

タイトルの考察だけで大盛り3食いけるくらい考察しがいがある。

Owen(オーエン)

元ネタのミステリ小説“そして誰もいなくなった”における重要人物“オーエン夫妻”を指すか

・大江山

鬼の四天王が一人、酒呑童子の逸話が残る地として有名な大江山。

能の演目はじめ、絵巻や物語として伝えられて現在に至る。

源頼光一行が騙し討ちのような形で毒酒を差し入れたり、変装をして鬼の本拠地へ乗り込むなどして鬼を退治する伝説。ところで発売前のアクリルスタンドには大崎に酒を差し入れる何者かのイラストが描かれている。

大きな穢れ

日本には死や出産などを穢れ・不浄なものとして忌み嫌う思想があり、物忌などといって生活そのものを大きく支配していた思想がある。

汐留の下の名前である“道雄”に関しては孤島の鬼の諸戸道雄かと思われるが、民俗学を修める学生という設定は乱歩が孤島の鬼制作の際に大いに影響を受けた岩田準一からか。

・罪を覆う/覆え

主人公大崎の十纒:覆に加え、読み“おおえ”が同じことから。

参列者は皆許されざる罪を抱えているとのこと。それぞれがその罪を隠そうと表面上はにこやかに、穏やかに過ごそうと心がけていた。

実際、不要な争いを好まない人たちなのはそうだんだろうけど、容赦なく全員犯罪者と断言されているところがなかなか……

・陰獣・呪いの塔に登場する人物から

乱歩の著作に陰獣という小説があり、それをリスペクトする形で書かれたのが横溝の呪いの塔。この二人はある時は作家と編集者として、またある時は一時代を気付き上げた大作家としてお互いに深く関係のある文豪。橋姫やった人ならピンとくるはず。

いずれの作品も大江姓の人間が重要人物であり、特に陰獣に関してはそして誰もいなくなったを彷彿とさせるようなあるトリックが盛り込まれている。

陰獣

大江春泥

呪いの塔

大江黒潮…この名前から八丈島を舞台に選んだ可能性もあるかも。

橋姫においてはこの作品の著者二人を抜きにして作品を語れないほど重要なモチーフとなっている点からも、氏が横溝フェローであることは想像に難くない。

特に編集者周りの話は横溝と乱歩がそれぞれ互いの編集者を務めていた時期もあり、作家としても編集者としても文壇に関わった二人の話を知らないまま古書店街の橋姫を制作したとは考えにくい。水谷準などの二人以外の人物についても触れられていることから、今作もより一層昭和期に活躍した文豪の要素が多く盛り込まれるのではないかと見た。

以上の理由から大穢(大江)というタイトルを設定したのではないかと考察。

◆鬼の伝承から読む大穢考 大江山とか頼光について(ゆる考察) 

・大崎=源頼光説 ・大崎VS有明説 ・大崎=桃太郎説 

この辺を主張したいコーナー

昭和の怪事件や小説がモチーフであると明言されてる大穢だけれど、鬼の伝説に関しても色々オマージュありそうな気配がしたので個人的に調べてまとめたもの。 学術的な根拠はなく、浅学のため完全に趣味程度の考察です。

①大崎=源頼光説

源頼光とは史実においては平安中期頃に活躍したとされる武士。

史実においての活躍で有名になったというよりは、こと妖怪・化け物退治において伝説・逸話が多く残されている点が大きな特徴。今昔物語集・御伽草子・などなど…化け物退治のエキスパートとしての顔が有名。

◆根拠

・大江山の謡曲の一部が大崎の鎧姿のイラストに書かれている

・能の要素があること

・頼光VS土蜘蛛の逸話が存在すること

※謡曲…能の声楽部分のこと

大江山=鬼が出る山というくらい鬼の聖地として有名。鬼の住処・鬼が島は場所はここ!といった風に有力視されている場所が一か所ある訳ではなく、伝説や逸話によって異なる。

大江山の酒呑童子の伝説は能や絵巻・各種芸術作品などにも頻繁に登場。二次創作でいうと学パロくらいみんな好きだし知名度がある。御伽草子や大江山絵詞をはじめ、色々な形で流布され現在に至る。

▼大江山 ざっくりあらすじ 

どえらい高貴な人

「大江山っちゅーとこに鬼さん出たらしいで! 頼光くん退治頼みますわ〜!」

 ↓ 

頼光

「頼光やで 家来連れてって変装して鬼退治行ってくるで! 四天王ついてこいや 」

↓ 

頼光

「鬼の本拠地入れたわ! でも人肉食わされるし何こいつ! なんか鬼のボスは身の上語ってるしで、たとえ過去が重そうとて顔が良くとて許せん」

↓ 

寝てる隙に退治! 帰宅! 完!

すごくざっくり言うとこんな感じ。

頼光たちが毒のお酒(鬼にとっては)を飲ませるシーンがあったり、人肉を振る舞われたり、バリエーション違いでいくつか話が伝えられている。

(主に汐留が匂わせている)カニバリズム要素なんかもひかりごけがモチーフとなっているならば見逃せないし、変装して鬼の拠点へ乗り込む部分も大崎が身分を詐称して大江島に乗り込む流れに非常によく似ている。

大穢で酒飲みするキャラが多いのも、もれなくベロンベロンになってんのも、参列者たちを鬼に見立てているからかもしれないし、大崎が鬼殺しで酔っ払ってんのも彼自身もまた“鬼”だからかも?

雑な概要をご覧いただいた上で、Tumblerに上がっている鎧姿の大崎のイラストを見てもらうと、イラスト中央とその外周に文字らしきものが書かれているのが確認できるはず。

この絵には大江山の謡曲が書かれており、イラスト内にもガッツリ大江山の文字が確認できる。(刺し通し〜の部分)

また能の他にも、酒呑童子の鬼退治を描いた絵巻も存在する。

有名なのは2種類あり、収蔵元の違いからサ本と逸本って呼ばれることもある。大筋は変わらないが、主に大江山の位置が異なる。 

大抵の図書館には詳しい解説本がおいてあるため、是非読み比べてみるべし。

大崎を頼光とする理由は、舞台である鎌倉・伊豆諸島各地に源氏の武士の伝説が多く残されているから。鶴岡八幡宮は幕府を開いたその場所であり、伊豆諸島各地には九州でしっちゃかめっちゃかやってた源為朝が流されたとされ、伊豆大島・八丈島では各地にゆかりのある神社や史跡などが、そして大穢の大江島に最も距離関係が近い八丈小島で自害をしたという資料が残されている。

②大崎VS有明説

大崎のモチーフが頼光だと仮定すると、ファム男かつ初回固定攻略対象の有明さんの見え方がちょっと違って見えてくる。

(1)有明さん鬼説 と、(2)有明さん土蜘蛛説 先の2つの説+aで (3)有明さんキメラ説 の3つをベースに色々考察してみる。

◆根拠

(1)有明さん鬼説

・体験版部分が謡曲大江山の展開に酷似している

・初期設定資料集のゲーム理論からの考察

・意味深な腕の怪我が茨木童子を表している?

先に述べた謡曲大江山をもう少し詳しく説明すると、鬼たちは初め頼光たちを警戒しつつももてなす態度を示す。寝床に入っていった鬼の隙を見て切りかかると、文字通り鬼の形相となって襲い掛かってくる。そこをサクッと退治しておしまい…というのが大江山の話の流れ。

寝込みを襲った瞬間の鬼の豹変っぷりと合わせて、大穢初期設定資料集で明かされていた有明さんのゲーム理論の欄を見てほしい。

ここには文字数的に“堪忍袋戦略”が入ると推測されるが、頼光が刀を向けるまではごくごく普通に人間と接するような態度で身の上話までしてくれた酒呑童子も、流石に寝込みを狙われてはキレるのも訳ない。有明さんにあると思しき二面性は酒呑童子のそれと似たものがあるのではないか?

何度も警告したにも関わらず、変装して身分を詐称し、ずかずか住居へ乗り込むわ、毒酒を盛るわ、あげく寝込みを襲うと来た… これでは鬼がどちらかもはやわからない。

・腕の怪我=茨木童子説

今のところ本人談ではドジやってすっころんだという腕の骨折(かわいい)だけれど、実は鬼の中には腕を切り落とされた鬼もいる。その一つが茨木童子。

 ここで茨木童子を選択したのは先に述べた鬼の四天王の一角であること・腕を切り落とされた鬼の中で最も有名であることの2点から。

羅生門の鬼と混同されやすいのだが、別の鬼。ちなみに映画の羅生門でメガホンを取ったのは黒澤明。この辺りは奇妙な偶然かもしれないが要素としては多少入っているのかも?

(2)有明さん土蜘蛛説

・tumblerなどで公開されている有明のイラストには蜘蛛が描かれたものが多い

・源頼光が土蜘蛛を退治する伝説がある

・妻or子持ちそう(詳細はキャラ雑感で後述)

源頼光が退治する大妖怪の一つに土蜘蛛というのがいる。かつては国に反抗的だった人々を指す蔑称でもあった。先の大江山には陸耳御笠という鬼の伝説が残されているが、これを土蜘蛛とする記録もある。

有明は各所でアリ◯ドスだったり蜘蛛の巣張ってる絵だったり、やたらめったら蜘蛛っぽさが強調されている。

土蜘蛛も鬼と同様、能の演目に存在しそれ以外にも様々な媒体で後世に残されているド有名な妖怪のひとつ。 糸をいっぱい吐く派手さでも有名ですが、この土蜘蛛VS頼光戦を描いた土蜘蛛草紙に着目してみる。

今回もまたお偉いさんからのお達しで化け物退治をこなしていた頼光一行だが、資料の通り今回のお相手は土蜘蛛。なんとか土蜘蛛を捉え刀でその腹を裂くと中から無数の屍と蜘蛛の子がわっさ~と出できよった! 今見てもなんというか、ぞわぞわする感じの表現で怪物味がすごい。 

京都の上品蓮台寺には頼光の名の残る土蜘蛛の塚があり、葬儀屋という職の彼に蜘蛛のイメージが付随するのも、大崎のファム男とされるのも、この言い伝えがあるからかもしれない。

有明は各所の情報からキャラメルを持ち歩き子供に配る、気立てが良い・人懐っこいなど、聖人君子が如く持ち上げされ方をする一方、tumblerではきっぱり“本物の怪物‘”とか“確定でヤバい”だとか、そんなになのか……とプレイヤー側がビビるほどにはヤバ認定を受けている。

後述する名前の元ネタと思しき作品を見ても、やっぱり妻or子持ち説が濃厚ではないかと予想。

(3)有明さんキメラ説

上2つの説に加えて、ご飯が大好きなところを見ていると磯餓鬼なんかも要素に入っているかもと感じたので調べました。

その中に磯餓鬼という、伊豆諸島の利島特有のヒダル神のように飯食わないとぶっ倒れる妖怪がいるらしい。大食いは酒呑童子とか粗暴な鬼たちの現れかとも思いつつ、こういう切り口もアリではないか?と思います。

・キャラクター雑感

◆大崎について

・元ネタ考察:大崎編

・源頼光 鎌倉が舞台の一つであること・鬼や鬼退治に関するイラストがいくつかあることなどから。

大江島のあるとされる伊豆諸島には各地に源氏の武士らの足跡をたどることもできる。体験版中でも汐留の口から源為朝の逸話が語られるなど、源氏を意識して作られていることは確か。

鎌倉の地に由来して、黒い蝶のことを関東の一部(鎌倉他群馬など)では鎌倉蝶と呼ぶ方言もあるらしい。前作ウルCの第二話でも蝶が各所にあしらわれており、なにか不吉の象徴とは別の意味もこめられているのかも。

・桃太郎 犬神家の一族の作者・横溝の両親の出身地であると同時に疎開先でもあった岡山 有名な童話として桃太郎が挙げられるが、鬼の要素が散りばめられているのはこういう理由も?

◆有明について

この人、島から連れ出せるエンドあるんか……??

というのが体験版通過後の印象。不穏すぎるのに既に好きになりつつある。

・要所要所から既に見え隠れする片鱗がコワい、でも可愛い

三日月に着いて別れた後、有明が船野と雑談しながら風鈴を吊るすシーンがある。一方大崎の下宿先にも風鈴があるが、果たして… まさかくすねてきたなんて事はないと思いたい。

ともかく各所のSEに採用されている通り、風鈴の音がカギとなることは確実か。

大崎と有明は少なくとも初対面ではなさそうなことが暗示されている。初対面なのが大崎か台場なのかは定かではない。

また本人たちに面識はなくとも、大崎・有明の祖母同士が顔見知りだった可能性はある。どころか、祖母らが大江島の出身であるならば、実の母親が異母兄弟の可能性すら出てくる。

実際、犬神家の一族をはじめ横溝作品では異母兄弟はもはやお家芸とい評しても良いくらいわんさと登場する。あともれなくめんどいお家騒動とギスギスもセットでついてくる。横溝自身も兄弟周りが血繋がってなかったり数が多かったり(確か7人とか)結構複雑だったらしい。

元ネタが元ネタなのもあって、二人きりになった島で一生暮らすエンドになりそう。あるいは脱出したとて、永久に罪の清算を許されず、ひたすら甘やかされるエンドとか。個人的な印象だけれども、そこはかとなく子持ちそう。

・元ネタ考察:有明編

・勝太郎の元ネタ…谷崎潤一郎 途上

妻と湯河勝太郎の話 

体験版と読み比べてみると僕を”私”に取り換える部分なんかがそっくり!

もしこれが有明の元ネタとすると…確かに怪物とも呼ばれるのも訳ない。

平然と今の妻を楽しませることを考えながら、その実前妻を手にかけている二面性、それを指摘されると顔を真っ青にする一面も実に人間臭い。

・土蜘蛛 
大崎との関係性をクローズアップして描かれてるのは、有明のモチーフに蜘蛛が入っているからか。Tumblerのイラストも蜘蛛の巣を張っている 黒い蝶と合わせて見ると捕食者と非捕食者の関係なのでやっぱり不穏

◆青海について

個人的には施主候補筆頭に見えるが、わからんくなってきた 前編のラストであのライターでタバコに火つけて美味そうに妖しく笑って咥える未来しか見えない 

なお黒幕如何に関わらず発売前から一貫して最推し 蛇顔丸メガネの知的で打算的な男がマジでダメ 

・黒幕と考える理由

  • 犬神家の一族における、重要人物の名前と酷似している

➡青沼静馬/青海?? 

②初期設定資料集でほとんどの情報が不明とされている

特に年齢の部分が謎なため、特に相続で重要になってくる出生順に関わってきそう➡台場家とか大江家とかの血縁者である・あるいは相続問題の関係者である可能性は高いかも ※犬神家の静馬は29歳

③新作告知の際、一番最後に紹介されていた

④体験版中の赤文字部分と10月10日のtumblerを見ての考察

わざわざド初期設定の”音楽家”から“音楽教師”に路線変更を行ったのも、発売直前に意味ありげに“泳ぎ方”について不敵に笑っている台場も、“そして誰もいなくなった”と“犬神家の一族”を読んでいるとなんとな~く含みがあるように見えなくもない。

体験版中で新木場さんがくれた睡眠薬こと”そして誰もいなくなる“の元ネタはクリスティ著”そして誰もいなくなった” 赤文字で書かれていたヴェラという女は元ネタにはヴェラ・クレイソーンとして登場する。

◆各作品比較

そして誰もいなくなった・ヴェラ・クレイソーン

・職業:教師

・生徒を溺死させたとして、本編では兵隊島に罪人として招かれる。

・体験版ではヴェラの文字が赤く表示される。

➡︎何がしかのメッセージがあるのではないか。

大穢・青海

・職業:音楽教師

・殺人を犯したとして何者かから罪状を受け取り大江島へと招かれた。

・大江杏に音楽を教えたとされ、生徒であった大江杏は物語開始時点で既に死亡している(と思われる)。

・現時点では誰をどのように殺害したのか不明。

犬神家の一族・青沼菊乃(宮川香琴)

・職業:琴の師匠 犬神佐兵衛の長女・松子に琴を教える

・青沼静馬の実の母 犬神佐兵衛の実子として初の男児を妊娠し、財産を取られることを恐れた他の妻たち3人から嫉妬され虐められた。その後、富山に逃れる。



・犬神家の一族の冒頭ではヒロイン・珠世がボートから落ちそうになっていたところを金田一が助けて事なきを得る。

⑤松の背景に縛られている青海のイラストからの考察

犬神家の一族には松の名を関する犬神松子が出てくるのだが、松の木を背景にぎゅうぎゅうに縛られた青海のイラストはどうにも意味深。

この点もまた、青海=黒幕説を強めている

…が、ぶっちゃけあからさま過ぎるので全然別の人が黒幕ないし施主なんじゃないかという気持ちもある。ミステリは好きだけれども、読みながらの推理が得意という訳ではないので、本編は物語として楽しむ予定。(それはそれとして考察はやる)

・その他元ネタ考察

三味線➡乱歩自身も三味線を嗜んでいた。

丸メガネ➡乱歩の代名詞

新橋が早〇田卒なのも含め、各キャラに乱歩や乱歩の作品の要素がちりばめられてたりするのかもしれない。

後は黒澤明や市川崑の映画の劇伴作った人とかが元ネタ候補だったり?昭和映画史に明るくないので詳しい人がいたらぜひ教わりたい。

◆台場静馬は何を思って自分と瓜二つの大崎を大江島に乗り込ませたのか

①兄を殺した真犯人を見つけるため

第一印象が悪く描かれている男ほど大抵メロいのは鏡と川瀬と蝶番で嫌というほど知っているので、今回もその枠が台場ではないかと考察。発売前にもこの男らに弱いひとは刺さるって言われてるし。毎度のごとく読者すらも欺いてくれちゃってほしい。

②参列者に対して、何らかの恨みを持っており復讐を行うため

無難

兄がどうとかより、お家の存続がどうとかより、極めて個人的な理由で復習したいと思ってる説も。

③自分が参列するのが面倒だった

自堕落の大穢 ~完~

番外編としては読みたい。新聞で事件の顛末を知り碇国ホテルで優雅にコーヒーをたしなむ台場静馬を…

④大崎に成り代わるため

何らかの理由で台場姓を捨てたいと考えており、その為には自分の正体を知っている・あるいはかつて台場家と関わりのあった連中をみんな始末したいと考えての犯行っていう線もあるのかも。

実は台場ではなく大崎の方が台場家の血を引く人間で、何らかのルートでそれを知った台場が自身の顔を大崎似に整形して近づいてきた説も。となると、台場静馬(?)と書かれている理由もよくわかる。

正直双子でもない限りここまで瓜二つな人間が素で生まれてくるはずがないと考えているので、どちらかが外科手術で寄せに来ているんじゃなかろうか…… ちょうどそこに外科医もいますし。

元ネタ・読んでおくと面白そうな作品

・金田一シリーズ

横溝自身の家族構成も実はミステリで良い素材になりそうなくらい複雑。再婚相手の連れ子だったり、なんか色々多かったらしい。そんな横溝が書く古き日本のお家騒動って、ドロッとしつつも文体が読みやすく、読む手が止まらなくなる経験は一度や二度ではない! 読もう。

・パノラマ島奇譚

橋姫でもさんざっぱら出てきた話ではあるけど、今作では瓜二つの登場人物が入れ替わり成り代わるという点に注目して読むといいかも。

・双生児

カインとアベルをはじめ兄弟ってなんか血なまぐさくなりがちだけれども、それはさておき弟から兄へのクソデカ感情を書いた短編として好き。駆け込み訴えが好きなオタクはみんな好きだと思う。

前編プレイ後にまた記事を書ければと思います!

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